窒息、転落、股関節脱臼の危険性がある
いきなり怖い話からで申し訳ないのですが、スリングを使用しての窒息、転落の事故が過去に起きています。
スリングは横抱きでの使い方によっては、すっぽりと赤ちゃんを覆ってしまうので、顔が見えず、ママのお腹に赤ちゃんの顔がうずくまってしまい窒息死してしまったという事例です。とても怖い話ですね(;゚Д゚)
国民生活センターでも注意喚起されています➡スリングや抱っこひもなど赤ちゃん用子守帯に注意
スリングの横抱きには要注意!
さらに、スリングでの横抱きは股関節が外れてしまう股関節脱臼になってしまう可能性もあるようです。
昔書いたベビースリングの危険性。1.股関節脱臼、2.窒息、3.転落。
生後一ヶ月の乳児に股が開かない横抱きでは股関節脱臼を誘発しやすい。これは全国に広まってほしくない。https://t.co/NuxhBNltlvhttps://t.co/Ag46IEZory— 宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 (@atsushimiyahara) May 3, 2016
スリングで注意したいのが、いつも同じ向きで赤ちゃんを抱っこしていると、赤ちゃんに向き癖がついてしまい、姿勢がまがってしまうという点です。
さらに、赤ちゃんの足はM字型になるのが好ましいとされていて、足が伸びてしまっている状態だと、股関節脱臼になる可能性があります。
スリングの横抱きだと、赤ちゃんの足をM字型にする事が出来ないため、良くないとされているんです。
赤ちゃんを正面から抱くと、両膝と股関節が曲がったM字型開脚でお母さん(お父さん)の胸にしがみつく形になります。この正しい抱き方は、あたかもコアラが木につかまった形であることから「コアラ抱っこ」とも呼ばれています(図4)
同様に、両膝と股関節がM字型に曲がって使える「正面抱き用の抱っこひも」の使用も問題ありません(図5)
横抱きのスリングは開脚の姿勢がとれず、また、両脚が伸ばされる危険もあるため、注意が必要です(図6)
引用:日本小児整形外科学会
赤ちゃんが体を丸めた状態がいいというのは大きな勘違い!
皆さんは、Cカーブをご存知でしょうか?赤ちゃんはママのお腹にいる時は、体が丸まった姿勢になっています。
その体が丸まっている姿勢がCのカーブを描くように見えるのでCカーブといいます。赤ちゃんは、その姿勢が心地が良くて、Cカーブの姿勢で寝かせると、スヤスヤぐっすりと眠ってくれます。
スリングの横抱きの場合、赤ちゃんがくるまった状態になり、ちょうど体が丸まったCのカーブを描いた姿勢になるので、赤ちゃんは心地が良く、眠ってくれるというものです。
Cカーブは背中スイッチが発動しやすくなる!
体を丸めた姿勢のCカーブですが、ママのお腹にいた時と同じ姿勢なので赤ちゃんにとっては心地がいいと感じます。
スリングの横抱きだと、Cカーブの姿勢になるので、赤ちゃんはぐっすりと寝てくれるのですが・・・・・
実は、ここからが問題なんです。
スリングの横抱きでぐっすりと寝てはくれるのですが、眠った赤ちゃんを布団に降ろそうとすると・・・( ✧Д✧) カッ!!と目覚めてしまう可能性がとても高くなります。
赤ちゃんの背中にまるでスイッチがあるかのように目覚めてしまうこの現象は「背中スイッチ」と呼ばれます。世のママ・パパにとっては大きな悩みのひとつではないでしょうか?
私には3人子供がいますが、2人目まではちゃんとした対策が分からずに、抱っこ紐で寝かした状態で日中の大半を過ごしてしまっていました(゚Д゚;)
繰り返しになりますが、とくに横抱きの場合だと、M字型の姿勢にならず、股関節脱臼になる可能性もありますし、赤ちゃんが身動きがとれないので、寝返りが遅くなったり、運動の妨げになってしまいます。
1番の理想は、赤ちゃんには平らな布団でぐっすりと寝てもらう事です。そうすると、赤ちゃんの寝返りや運動の妨げにもならず、ママもスリングや抱っこ紐で寝かしながら家事をすることもありません。
あと、大事なことを付け加えておくと、赤ちゃんの機嫌がいい時には、いっぱい抱っこしてあげて、目と目を合わせるコミュニケーションをいっぱいとって信頼関係を築くという事が大切です。
新常識の背中スイッチ対策
私には、3人の子供がいますが、2人目までは日中のほとんどの時間を抱っこ紐で寝かしながら家事や育児を行っていました(;・∀・)
でも3人目でCカーブがよくないということを保育士さんに教えてもらって、どうしたら背中スイッチが発動しなくなるのかを教えてもらったんです。
そしてその方法をしっかりと実践したら・・・なんと!背中スイッチが発動せずに平らな布団でぐっすりと眠ってくれるようになったんです٩(๑>◡<๑)۶
保育士さんに教えてもらった「新常識の背中スイッチ対策の方法」は下の記事に詳しくまとめているので、背中スイッチで悩んでいる方は、ぜひ参考にされてくださいね。

まとめ
スリングは使い方を間違えてしまうと、窒息や転落、股関節脱臼の可能性があります。
- 赤ちゃんの足が理想的と言われているM字型にならず、足が伸びた状態になってしまう。(赤ちゃんが動きずらいため、寝返りも遅くなってしまう。)
- 同じ向きで横抱きを続けてしまうと向き癖がついてしまい、姿勢が曲がってしまう可能性がある。
- 赤ちゃんの姿勢がCカーブ(体を丸めた状態)になってしまい、背中スイッチが発動しやすくなる。
オススメは、赤ちゃんの足がM字型になる縦抱きとなります。そして、目と目をしっかりと合わせてコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くことが大切となります。
スリングでも正しい使い方をすれば問題はありませんが、実際に使おうとするとコツや練習が必要になったりします(;^ω^)私としては、普通の抱っこ紐での縦抱きが一番おすすめです。